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更新日:2022.10.14 / 掲載日:2022.10.14

新型マスタング登場で気になるフォードのいま【九島辰也】

文●九島辰也 写真●フォード

 フォードが日本のマーケットから撤退してずいぶん月日が経ちました。エクスプローラーとマスタングを筆頭に、フォーカスやモンデオなどヨーロピアンフォードの商品群がラインナップされていたのが懐かしいですね。諸兄の中にもフォード車を所有していた方は少なくなかったことでしょう。かつてはマツダのバッジ違いとして売られていた分、馴染みもあったかと。ファミリアはレーザー、ボンゴはスペクトロンなんてネーミングだったと思います。
 2000年以降は特にエクスプローラーの人気は高かった。ジープ・チェロキーやシボレー・ブレイザーと競合するカタチでマーケットを賑わせていました。思うに、エクスプローラーが今も売られていたら、それなりの数が販売されているのではないでしょうか。昨今のアウトドアブームにピッタリのイメージです。ワイルドな装いがそう思わせます。FFパッケージになる前のモデルは特にそうでした。

フォード 新型マスタング

 そんなフォードの最新のトピックスは、なんといっても新型マスタングの発表です。今年9月に開催されたデトロイトモーターショーで7世代目となるモデルがお披露目されました。
 ワタクシもオンラインで自宅に居ながら発表会を拝見させてもらいました。現地時間は夜の8時でしたが、日本時間は朝9時スタートとなります。
 アンベールされた新型は、「これってマイナーチェンジか?」というぐらいキープコンセプトだったのは驚きです。エクステリアデザインは大掛かりに手を入れず、細部を煮詰めたような印象です。逆スラントのグリルもオーセンティックな2ドアクーペスタイルもそのまま継承されました。それは同時に60年代のマスタングへのオマージュであることも変わりません。2000年ごろ、当時デザインダイレクターだったジェイ・メイズ氏がそのきっかけをつくって以降、その道を辿っています。

フォード 新型マスタング発表会の模様

 それでは新型の特徴はというと、プレゼンテーションで強調されたのは、「V8エンジン」、「スリーペダルのMT」、それと「デジタルメータークラスター」でした。要するに、電動化が叫ばれる昨今ですが、マスタング伝統、いやいやアメリカンマッスルカー伝統のスペックがちゃんと継承されたことが彼らの主張でした。すごいですよね。なんともアメリカ人っぽいというか。発表前はV8ハイブリッドなんて噂がありましたが、それもありません。いずれ追加されるのかもしれませんが、伝統を守りきったことが新型の目玉となりました。
 さらにいうと、スタンダードモデルをパワーアップした“ダークホース”なるスペシャルモデルを追加したり、GT3やGT4カテゴリーに参加できるレースカーを用意するそうです。プレゼンの最後にはエグゼクティブチェアマンのビル・フォード氏が登壇し、ル・マン24時間レース参戦計画を発表、60年代の「フォードvsフェラーリ」をもう一度というニュアンスで語りました。
 なので、会場は大盛り上がり、フォードはアメリカ人にとって特別なブランドなので、愛国心が湧き上がるようにフォード氏への歓声が上がります。この辺の演出はさすが。エンターテイメントの国の発表会って感じですね。

フォード 新型マスタング

 そんなフォードですが、皆さんは彼らの本国のサイトをご覧になったことありますか? 興味のある方はぜひご覧ください。驚きますよ。なんたって現在のフォードのラインナップで乗用車はマスタングしかありません。他は、SUVとクロスオーバー、ピックアップトラックとミニバン&フルサイズバンなんです。かつてはトーラスとかありましたよね。それにアメリカでタクシーにも使われていたクラウンビクトリアなんかも。
 話はそれましたが、やはり新型マスタングは気になります。フォードジャパン撤退後も街のショップが直接輸入し続けているおかげで、これまでも何度か最新モデルを試乗していますが、新型のステアリングもぜひ握りたいところです。これを機にフォードジャパンが復活してくれればいいんですけどね。我々ユーザーにとって選択肢が増えることはありがたいですから。マスタングにどこまでチカラがあるかわかりませんが、期待して待ちましょうかね。

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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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